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From the Publisher 19年2月号「ウエディングが提供する価値」

[ 2019/04/11 ]

-The Professional Wedding 編集長 石渡雅浩からのメッセージ-

 

The Professional Wedding 2019年2月号の特集は「テーマウエディングの落とし穴」という非常に挑戦的なタイトルとなりました。

もちろん、テーマウエディングのすべてを否定しているわけではありません。

新郎新婦がどんな人生を送ってきたか、そしてこれからふたりでどのような人生を歩んでいきたいかといったことを掘り下げていった結果生まれたテーマ。

それは、ウエディングのテーマにとどまらず、その後の人生のテーマにもなるでしょう。

 

しかし、その一方で新郎新婦が好きなアイテムをそのままテーマにしたものや、

「どんなテーマで結婚式をしたいですか?」と新郎新婦に直接伺って決めたテーマを基にしたウエディングが散見されるようになりました。

それでは新郎新婦の結婚式に関する経験値の中からしか答えが返ってきませんから、新郎新婦の想像の域を超えることはありません。

 

テーマウエディングが一般的に広まっていく中、今回の特集にご登場いただいたPlan・Do・See(以下PDS)は一歩先行く取り組みをされていました。それはコンセプチュアルカウンセリングという形で、おふたりの人生を深掘りすることでコンセプトを導き出し、それを基にウエディングをプロデュースするという高度な手法です。

しかし、そのカウンセリングによって新郎新婦が話そうとは思っていなかったこと、例えば親やきょうだいなどとの不和といったことまで話してしまうという課題が見えてきたそうです。

 

そうしたネガティブな要素をポジティブに変えるようなプロデュースにももちろん取り組まれたそうですが、それをウエディングで行なう必要があるのかというさらなる疑問にもぶつかったとのこと。

そこで、プロデュースの手法を一から見直し、新郎新婦・家族・ゲストとのつながりをより強めるようサポートしていく形にしたそうです。

 

その一方で(株)テイクアンドギヴ・ニーズ(以下T&G)の有賀明美さんは、以前の取材で「結婚式という特別な機会でないと、結び直せない絆がある」として、あえてリスクを負ってでも絆を結び直すためのプロデュースをされているとおっしゃっていました。ですから今回の取材を通じて、両社のウエディングの在り方はある意味真逆だとも感じています。当然ながら、どちらかがよくてどちらかが悪いといった話ではまったくありません。両社の新郎新婦への優しさともいうべき思いは共通しています。傷を負った人を目の前にして、その傷に触れないでおくのも、その傷を積極的に癒やそうとすることもどちらも優しさでしょう。

 

ここで大切なのは、ウエディングにおいてどのような価値を提供しているのかではないでしょうか。

PDSのように結婚式そのものが持つつながりを強める力を信じて、プランナーはそのサポートをしていくのか。

T&Gのようにプランナーが積極的にリスクを負うことで、結婚式でしかできない絆の修復を行なっていくのか。

それぞれの会社・会場がウエディングを通じてどのような価値を提供できているのかを、現場のウエディングプランナーが把握し、それを新郎新婦に提示することが必要です。そうでないと、ビジュアルだけで選ばれてしまう傾向はこれからも変わらないでしょう。

 

皆さんの会社・会場ではウエディングでどのような価値を提供できているか、

ここであらためて見直してみませんか。

The Professional Wedding 編集長 石渡 雅浩

 

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